PEdALED ヒストリー 第1章 (なぜPEdALEDが)

10月 15, 2021

今回からPEdALED創業者であり、デザイナーの鈴木氏によるブランドヒストリーや製品のこだわりをお伝えいただく記事がスタートしました。

 

あれは2006年頃だったと記憶しています。

アパレルデザイナーの私は、当時、連結式大型電動箱(電車)という人々で混雑した乗り物にお金を払って(ちょっとトゲある言い方ですが)乗っていました。

職場への通勤、仕事の移動、移動の全てが電車でした。

エネルギーの無駄なので仕事で車には乗る気になれませんでした。

電車は大変便利な交通手段で都市空間の移動をとてもスムーズに行う事が出来ます。また、暑さ寒さ、雨風を回避する事が出来ます。

が、が、が、しかし、閉ざされた空間で他人と一緒に運ばれている感覚、気温や天候から切り離せたている感じ、

点から点への移動であり線(移動の軌跡)では無い感じ、

生き物として肌で感じたい事が、なにか抜け落ちてしまっているような感覚が大きくなっていました。

それは私が地方出身者である事や、少年団から実業団までサッカーをやっていたことが大きく影響していたのではないかと思います。

サッカー現役時代は季節や天候に関係なくグランドを走り回り、まさに肌で空気を感じていました。

そして都市の日々の生活で空気を感じない事が私にとって違和感になっている事に気づき、なにか腑に落ちた感覚を覚えています。

話しが脱線してごめんなさい。

風を感じる移動手段は、、、歩く、走る、スケートボード、オートバイ、自転車・・・? 数日間考えました。

エネルギーを使う「オートバイ」ではない!通勤や仕事の移動で「歩く、走る」は、時間のロスが大きすぎる!

私はいつの間にか、中目黒の自転車ショップの前にいました。

その頃はNYでメッセンジャーから始まったピストバイクブームが、かすかに東京に聞こえ始めた頃です。

ですがそれに乗りたいとは思いませんでした。

とても親切なショップ店員さんに色々相談していたら、アルミとカーボンのハイブリッドフレームの素敵なロードバイクを勧められました。

私は目黒川沿いを数百メートル試乗して即購入する事に決めました。

そのバイクとの出会いが始まりの瞬間だったと私は思っています。

納車されたロードバイクと共に新たな生活スタイルが始まりました。

すると幼少期に自転車にまたがって田舎道を走った頃の感覚が蘇ってきました。

時刻表が無い移動、点から線の移動、風を感じる移動、いつでも、どこまででも。

それらは懐かしさや自由、ちょっと大げさかもしれませんが自分が生き物だと感じた瞬間でした。

大変長くなりましたが、さてここからです。

アパレルデザイナーである私が自転車ウエアに拘らないわけには行きません。

大手のサイクルショップを訪れましたが、・・・あるのは色とりどりのロゴがプリントされたレースジャージとビブショーツばかりです。

また、アウトドアショップでも探しましたが、自転車とパーツはあるのですが、自転車用ウエアは存在しませんでした。

しかし、そんなはずは無いとネット検索やリサーチを続けました。

が、私が欲しいシンプルで気軽に着るサイクルウエアは見つかりませんでした。

アパレルデザイナーである自分が新しいサイクルウエアを創れば問題は解決する・・・・・

それがPEdALEDの始まりです。

思い返せばピストバイクに乗ったメッセンジャー達のパンツはディッキーズやカーハートなどのワークパンツ、

トップスはフード付きスェットにワークシャツにカバーオールのような感じで、ほぼアメリカンワークウェアでした。

だから、カジュアルなサイクルウエアというものは存在しなかったという事です。

 

つづく