リフレッシュ

4月 18, 2021

今回お客様からお預かりしたのは、もう随分と放置してしまい革は乾燥しきって変形してしまったB17 NARROW

サドルは横に開いてしまいナローモデルが幅広サドルになってしまっています。

もう一度大事に使いたいとのことで買い替えではなくレザーのメンテナンスをすることにしました。

 

BROOKSのレザーサドルは、革を最後まで使い切るために途中段階でトラブルに見舞われ使えなくなった金属部分の修理は行なえます。

しかし、レザーの張替えは行っておらず新品のトップにすることはできません。

馴染みの出ていない新品のトップにして、使い古した下半分を残すのであればコスト的にも性能的にも新品に買い替えたほうが賢いというBROOKSの修理ポリシーは確かに納得。

金属部分は交換修理

革はメンテナンス

ということになります。

今回のメンテ依頼のサドルは写真の通り大きく広がり変形してしまっています。

まずはそこから手を付けていくことにします。

革を柔らかくする工程(写真は非公開で、、)を経て再成形しているところ。

革の表面が光っていますが、乾燥過程で油分が抜けてしまわないように保湿しながら廃チューブで縛って形を固定しています。

ここから1週間、直射日光を避けじっくりと乾燥させていきます。

再成形後は革を磨き直し、表面を整えて革に張りを出していき最後はテンション調整をしてライディング時に適度なしなりを出せるよう調整をしていきます。

かなり艶が戻ってきました。

広がっていたサイドもしっかりと形が戻っています。

もちろん新品のようには戻りませんが、使用感もしっかりレザーサドルの快適さを味わえるように回復し、味の出た革サドルという雰囲気になっていますね。

時間のかかる作業になりますが、思い入れのあるサドルを復活させたいなどあればご相談下さい。

個体ごとの状況によりますが、革サドルならではの快適さと味わいを戻せるようであればメンテナンスをお受けいたします。

手を入れ、快適さを取り戻せるのはBROOKSサドルの最大の特徴です。

自然の素材を使い、人の手で作られている。

だからこそもう一度手を掛けて、自分だけのサドルへと成長させていけるのです。